プロセスシステム工学第143委員会
平成22年度第2回研究会
ワークショップ No.28 最終報告会

1. 日 時:2010年7月16日(金) 13:10 - 16:50
2. 場 所:キャンパス・イノベーションセンター(CIC)東京 国際会議室
(東京都港区芝浦3-3-6/電話:03-5440-9020 / http://www.cictokyo.jp)
(交通:JR「田町駅」より徒歩1 分)
時間
発表者・司会
講演タイトル・概要
13:10〜13:20

野田賢 委員
(奈良先端大)

「ワークショップNo.28活動概要報告」
<概要>2010年3月までの2年間にわたるワークショップNo.28の活動概要について報告する。
13:20〜13:50
舞弓奈央子 氏
(JX日鉱日石エネルギー)
「日本の化学プラントにおけるアラームマネジメントの現状と課題〜アンケート調査結果報告〜」
<概要>日本の化学プラントは、現場でのTPM活動を中心に、プロセス改良、運転法の見直し、制御系の改善など日々の地道な改善の積み重ねを通じてアラーム数の削減を進めてきた。本講演では、パネル計装時代からDCS時代までのアラームシステムの設計、管理手法の変遷を概観する。また、アンケート調査結果に基づき日本の化学プラントのアラームマネジメントの現状と課題を整理する。

13:50〜14:10

川原裕記 氏
(三菱化学)

「EEMUA191/ISA18.2におけるアラームマネジメント」
<概要>EEMUA191/ISA18.2におけるアラームマネジメントに共通する考え方は、アラームが本来持つべき機能や目的を明確にし、標準化された設計方法や管理方法を通じて,オペレータに何ら有意な情報をもたらさないアラームを徹底的に合理化するという点にある。本講演では、EEMUA191/ISA18.2におけるアラームマネジメントの特徴について紹介するとともに、日本の化学プラントの現状を踏まえたアラームマネジメントのあり方について考察する。

14:10〜14:30
栃原平祐 氏
(東洋エンジニアリング)
「HAZOP解析を用いたアラームシステム設計法」
<概要>安全評価手法の1つである HAZOP解析をアラーム設計用に拡張し、拡張 HAZOPワークシートを用いたアラームシステム設計法を提案する。
14:30〜15:00
山田幸治 氏
(宇部興産)
「フィルタリングによるアラームシステムの適正化」
<概要>短時間に多発したアラームのフィルタリングは、オペレータがパニックに陥るのを防ぎ、正しい状況認識をするために有効である。本講演では、アラームのフィルタリング手法を紹介するとともに、デプロパナイザのダイナミックシミュレータによる検証結果について報告する。
15:00〜15:10
休憩
15:10〜15:30
武田和宏 委員
(静岡大学)
「Cause-Effectモデルを用いたアラームシステム設計法」
<概要>本講演では、プラントで想定される異常原因発生後の状態変数の異常伝播を表すCause-Effectモデルから、想定異常を静的には完全に識別することができるアラーム変数の組合せをシステマティックに導出する方法を提案する。また、Cause-Effectモデルの可到達行列から、アラームシステムの適切性やユニーク性を反映したアラーム変数の選好度評価法を提案する。選好度は、階層構造化Cause-Effectモデルにより視覚的に確認でき、複数のアラーム変数の組合せの候補をより詳細に検討するときの優先順位の決定に役立つ。
15:30〜15:50
野田賢 委員
(奈良先端大)
「オペレータの認知情報処理モデルによるアラームシステムの評価」
<概要>オペレータの認知情報処理モデルを用いたプラントアラームシステムの定量的評価法を提案する。提案手法では、仮想オペレータとプラントシミュレータを組み合わせることで、アラーム発生から異常原因特定までの過程を認知情報処理のレベルで細かくシミュレートする。
15:50〜16:20
山武高井努 氏
(山武)
島廻昭朗 氏
(三菱化学)
「8特性によるアラームシステム性能の総合評価法」
<概要>アンケートおよびデータ解析によるアラーム8特性に基づくプラントアラームシステム総合評価方法を提案する。本手法は製造現場の実務者レベルでのアラームシステム改善において扱い易くかつ従来の単にアラーム発生頻度から改善点を見つけだす手法に比べ、取り組むべき課題をより明確にでき効果的な改善への着手が期待できる。
16:20〜16:40
樋口文孝 委員
(出光興産)
「イベント相関解析による運転課題および運転知識の抽出」
<概要>アラームシステム改善または運転操作改善を行うために、トップ10アプローチと呼ばれる個々のアラームまたは操作の発生頻度ランキングに基づく改善手法があるが、上位イベントの占有率が低下するにしたがい削減効率が低下する。また、連鎖、伝搬傾向のあるアラームと操作の関係を見いだせず改善策の検討に時間を要する。本講演では、運転ログに記録されるアラーム・操作のイベントデータ間の相関解析に基づく新しい運転課題および運転知識の抽出手法を提案し、実プラントへの適用結果を報告する。
16:40〜16:50
野田賢 委員
(奈良先端大)
まとめ